耐震性
設計において重要ポイント
構造設計
建物の構造設計において、耐震性能を確保するためには、柱や梁などの構造材の適切な配置や、耐震壁を設けることが重要です。
また、建物の形状や階数に応じて、適切な耐震設計を行ってください。
大手ハウスメーカーは型式認定を行っており、1棟1棟耐震計算をしなくても耐震性が担保される品質管理体系になっています。
設計事務所でも、耐震計算はやって当たり前です。
よっぽど奇抜な間取り、デザインにしない限り、1回の地震では最低限の耐震性(家が倒壊しない)は保たれていると思います。
ただ、家が半壊(傾いたり、外壁に亀裂が入ったり)といったことが起こりやすいか、何回地震が来ても壊れないかで差が出るでしょう。
接合部の強化
柱や梁、耐震壁などの接合部を強化することで、建物全体の耐震性を高めることができます。
特に、金物を使用した接合部の補強が効果的です。
大手HMの工場見学のビデオを見ると勉強になるのですが、戸建て住宅の場合、柱や梁、壁がつぶれて倒壊することはありません。
木造でも鉄骨でも同じです。
必ず、柱と柱もしくは梁の接合面、ツーバイフォーのような枠組(壁)は板と角材の釘から壊れていきます。
ここをいかに強くするかが、ハウスメーカーの技術力になります。
軽量化
建物の重量を軽減することで、地震時の揺れの影響を軽減することができます。
軽量な建材を使用し、無駄な部分を省く設計を心がけてください。
木造の方が、強度が弱いと思われがちですが、そうとは限りません。
鉄骨の場合、重いため構造や基礎に負担がかかってしまいます。
また、特に屋根に使う素材の重さは重要です。
昔ながらの屋根瓦(今はほとんど使われないが)は、重いためかなり不利です。
軽さだけだと、金属板(セキスイハイムの鉄骨はステンレス鋼)が有利です。
太陽光パネルもできるだけ軽いものがいいです。(表面にガラス板を使っていると重いです )
住宅の形状
シンプルな形状の住宅は、地震時の力が均等に分散されるため、耐震性が高まります。
複雑な形状や大きな突出部分を持つ住宅は、地震時に弱点となることがあります。
簡単に言うと、平屋や総二階は強いです。
デザインに凝りすぎると、耐震性は落ちます。
地盤調査・施工時において重要なこと
地盤調査
まず、地盤調査を行い、敷地の地盤の状態を把握することが重要です。
地盤調査には、静止浸透試験や地盤の強度を測定するためのSPT(Standard Penetration Test)などがあります。
地盤調査の結果に基づいて、適切な基礎工事や地盤改良を行うことができます。
地盤改良
地盤が弱い場合や、地盤の状態が均一でない場合は、地盤改良が必要となります。
地盤改良には、表層改良法や深層改良法などがあります。
適切な改良法を選択し、施工することで、地盤の耐力を向上させることができます。
基礎工事
建物の耐震性を向上させるためには、適切な基礎工事が欠かせません。
基礎工事には、ベタ基礎、杭基礎、布基礎などがあります。
地盤調査の結果や建物の構造・用途に応じて、適切な基礎工事を選択し、施工してください。
金物の使用
柱や梁、耐震壁などの接合部を強化するためには、金物を使用した補強が効果的です。
適切な金物を選択し、正確な位置に取り付けることで、建物全体の耐震性が向上します。
品質管理
施工時に品質管理を徹底することで、耐震性を向上させることができます。
施工中の検査や、施工後の検証を行うことで、不具合や欠陥がある場合は早期に対処することが可能です。
また、施工業者とのコミュニケーションを密に取り、建築基準法や耐震基準に準拠した施工が行われるように監督してください。
断熱性
断熱性能を表す、UA値について、詳しく・わかりやすく解説した記事を書いています。
適切な断熱材の選択
優れた断熱材を選ぶことで、熱の伝導を減らし、室内の温度を安定させることができます。
一般的な断熱材には、グラスウール、ロックウール、発泡ポリスチレン、ウレタンフォームなどがあります。
種類に加えて、厚さが重要です。
多少、性能が劣っても、厚ければ断熱性能を確保できます。
また、断熱性能が良くても、耐火性が悪い素材があるので、注意が必要です。
総合的に勘案して、各メーカー断熱材は仕様をそろえている場合が多いです。
窓の性能
窓は家の断熱性能に大きく影響するため、優れた断熱性能を持つ窓を選ぶことが重要です。
二重窓や三重窓、Low-Eガラスや熱線遮断ガラスなどの高性能な窓を選ぶことで、熱の損失を抑えることができます。
ここが、一番断熱性能を左右するのではないでしょうか。
まず第一に、無駄に大きな窓、数多くつける窓は断熱性能を悪化させます。
加えて、ペアガラスは必須、できれば三重窓、サッシもアルミ樹脂サッシ、樹脂サッシをお勧めします。
壁・床・天井の断熱性能
家全体の断熱性能を高めるためには、壁・床・天井の断熱性能が重要です。
これらの部分に断熱材を適切に設置し、熱の流れを遮断することが必要です。
壁は、どこのメーカーも力を入れています。
差が出やすいのは、床・天井です。
これらは、メーカーによってポリシーが違っているため、よく比較して検討することが必要です。
通気性と気密性のバランス
断熱性能を向上させるためには、通気性と気密性のバランスが重要です。
通気性を確保することで、室内の湿度や空気の質を保ち、気密性を高めることで熱の損失を抑えることができます。
窓は最小限にと言いましたが、通風は家全体を通すように開けられる設計にすると、効果的にすることができます。
今後ブログで書こうと思います。
建物の方位と設計
建物の方位や設計も断熱性能に影響を与えます。
日照や風通しを考慮した設計にすることで、自然のエネルギーを利用して室内の温度を適切に保つことができます。
確かにとは思いましたが、間取りを決めす際の参考にすればよいかな程度ですね。
土地が決まれば、自然と方位は決まります。
シェードや日よけの設置
窓にシェードや日よけを設置することで、直射日光による室内の過熱を防ぎ、冷暖房負荷を軽減できます。
これは、家本体の断熱性能という意味では違いますが、夏場快適に過ごすため重要です。
詳しくは記事にまとめようと思います。
緑化や屋根緑化
庭や屋根に植物を植えることで、熱の吸収を抑え、自然のクーリング効果を得ることができます。
特にグリーンカーテンは夏場の日差し対策で効果あります。
また、断熱性能関係なく、家全体の見た目も改善します。
自然素材の利用
自然素材は、調湿機能や断熱性能が高く、エネルギー効率を向上させる効果があります。
例えば、珪藻土や木質系断熱材などがあります。
実は、これはあまり効果が実感できないと思います。
例えば、珪藻土の壁紙や、タイルなどを選んでも、壁紙の場合は厚さが薄すぎる、タイルの場合は値段の関係で面積が小さすぎるため、効果が限られてしまいます。
無理に採用する必要はないと思います。
冷暖房設備の選択
高効率な冷暖房設備を選ぶことで、エネルギー消費を抑え、快適な室内環境を維持することができます。
例えば、エアコンの場合、省エネ性能の高いインバーター式エアコンを選ぶことがおすすめです。
直接断熱性能とは関係ないですね。
しかし、快適かつ省エネな家にするという観点では正しいので、入れておきます。
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